自然界に広く存在 L―シトルリンは、自然界の動植物に広く含まれているアミノ酸の一種です。 とくにウリ科の植物に多く含まれていて、スイカはその代表です。 私たちが普段食べている栽培種のスイカはもちろんのこと、アフリカ南部のカラハリ砂漠に自生している野生種のスイカのL―シトルリン含有量は、他の食品を圧倒しています(45ページの表)。 スイカの自己防衛策 2章で紹介するL―シトルリンの働きを考えると、砂漠で生育するスイカにL―シトルリンが多いのは非常に理にかなっています。 高温で日差しの強い乾燥した砂漠地帯で生き延びるのは大変なことです。そこでスイカは、自らの身を守る方法として、L―シトルリンを合成・蓄積するしくみを長い歴史の中で獲得したのでしょう。 そして、そうしたスイカの防衛能力は、砂漠で暮らす人や動物にも、昔から大きな恩恵をもたらしてきたと考えられます。 遊離アミノ酸の一種 私たちの体内では、L―シトルリンは血液中をはじめ、筋肉や臓器など、あらゆる組織に分布しています。 アミノ酸は一般に、たんぱく質の構成成分として知られています。しかし、L―シトルリンは独立した形で体内に存在し、からだのあちこちで重要な働きをしています。「遊離アミノ酸」と呼ばれるタイプのものです。
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