神経の興奮を抑える「癒やし系」物質―高血圧はGABAで治す
脳に存在するアミノ酸の一種
ギャバ(GABA)はアミノ酸の一種で、正式名称を「γ―アミノ酪酸」といいます。
自然界では、動物や植物に広く分布し、私たちが日ごろ口にしている米やお茶、野菜、発酵食品などにも微量ながら含まれています。
また、人をはじめとする哺乳動物の脳や脊髄にも、ギャバは多く存在します。
脳内のギャバは、そこで思考力、感情といった脳の働きを正常に保つうえで欠かせない役割を果たしているのです。
「抑制性」の神経伝達物質の代表
脳は、およそ140億個の神経細胞でできていて、神経細胞どうしは「神経伝達物質」という物質を互いにやりとりしながら情報を伝播しています。
神経伝達物質には「興奮性」のものと「抑制性」のものがあり、私たちは普段それらの分泌バランスで、ものを考えたり判断したり、あるいは泣いたり笑ったり、からだを動かしたりしているのです。
このうち、抑制性の神経伝達物質の代表が、ギャバです。
ストレスの多い現代には必須
脳内のギャバは、グルタミン酸という同じアミノ酸系の神経伝達物質と拮抗しながら働いています。
グルタミン酸は、ギャバとは反対の「興奮性」の神経伝達物質で、ストレスの多い現代人の脳では、このグルタミン酸の分泌量が増えやすい状態にあります。
脳内がグルタミン酸偏重になると、神経が常に高ぶった状態となり、全身に悪影響がでてきます。血圧の上昇はその最たるものです。
そこで、グルタミン酸の暴走を抑えるブレーキ役のギャバが、いま健康成分として、大いに注目されているのです。