そのほかこんな症状にも効果的 ―高血圧はGABAで治す
【ストレス】
心身に過剰なストレスがかかると、末梢の毛細血管が収縮して、血行が悪くなります。
そのため、毛細血管がたくさん走っている皮膚の血流量を調べると、現在のストレス度合いを知る大きな手がかりになります。
動物実験では、ギャバの豊富なエサを3日間食べさせたところ、ストレスに起因する皮膚の血流量の減少が抑えられることが確認されています。
【頭がよくなる】
ネズミの脳に直接ギャバを投与すると、学習能力が高まることが立証されています。
また、人を対象にした研究では、学生にギャバを一定期間とってもらったところ、ギャバをとっていなかった学生にくらべて、明らかに記憶力が増したという興味深い報告がなされています。
こうした効果は、若い世代の学力増進に役立つだけでなく、高齢者の脳の老化防止にも有効と思われます。
それを裏づける一つの事例として、老いたネズミを使った迷路の実験では、ギャバを与えていたネズミのほうが、早く出口を見つけられたと報告されています。
【腎臓病】
腎臓の働きに異常が起こると、血液中にBUN(尿素態窒素)という酵素が増えてきます。
ところが、高血圧ネズミにギャバの豊富なエサを与えていると、BUNの血中濃度は低い値を示し、なおかつ腎臓(基底膜)の損傷が抑えられるという実験データがでています。
こうした研究成果を踏まえて、筆者(大森)は「腎臓の機能が低下する腎炎、腎盂炎といった腎臓病一般に、ギャバは非常によい結果をもたらすのではないか。そして、大変な苦労をしいられる人工透析を受けている患者さんにも、明るい見通しを与えるものとなるかもしれない」と考えています。