痴呆症対策にもうってつけの効果 ―高血圧はGABAで治す
脳血管型痴呆の予防と回復に最適
痴呆症は、脳卒中の後遺症として起こる「脳血管性痴呆」と、原因不明で脳が少しずつ萎縮していく「アルツハイマー病」に大別できます。
このうち、脳血管性痴呆に対して、ギャバは卓効を示します。
ギャバは、先に述べたように、脳卒中の発生を防ぐうえで大変有効です。
また、脳卒中が起こったあとも、脳の血行をよくして、ダメージを受けた脳の神経細胞の修復を促し、その回復を助ける働きが期待できます。
アルツハイマー病対策の一助にも
もう一つのアルツハイマー病にも、ギャバの効果が期待されています。
アルツハイマー病の患者さんは、怒りやすい、暴力をふるうなどの興奮性の感情障害がみられますが、このような患者さんの脳では、ギャバの量が減っていることが明らかになっています。
また、アルツハイマー病のみならず、脳内のギャバの量は年をとるにつれて誰しも減っていきます。とくに脳のなかでも記憶をつかさどる「海馬」と呼ばれる部分のギャバが大幅に減ることから、これが痴呆の発生に関与している可能性も考えられます。
いずれにしても、ギャバを積極的にとって、脳内にいつも十分なギャバを満たしておくことは、脳の老化、ひいてはアルツハイマー病の予防に不可欠と思われます。
すでに痴呆症状が出ている場合も、ギャバの働きで脳の血流をよくし、脳への酸素供給量を増やして、残っている神経細胞(とくに海馬)を最大限に活性化できれば、その回復の一助になることは十分考えられます。